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修了生関連情報

修了生のデータ

●2023年度までのPFFP受講者の人数(N=150、特別聴講学生含む)




●2023年度までのPFFP受講者の内訳(N=150、特別聴講学生含む)




TF経験者のデータ

○ TFを経験した人の割合

TF経験者(人)
2020年度
(半期のみ)
7
2021年度 21
2022年度 20
2023年度 23

●TF任用された人数が多い学府
1.生物資源環境科学府
2.理学府
3.地球社会統合科学府

●TF任用科目数が多い学部・学府
1.基幹教育院
2.共創学部
3.農学部


PFFP修了生の感想

システム生命科学府・一貫制博士1年

授業デザインについて学んだことで、今まで自分が受けてきた授業を振り返り、どんな工夫がなされていたのか、もしくは今の自分ならどのように改善できるかなど、これまでにはなかった視点で授業を見るようになった。

統合新領域学府・修士1年

率直な感想として、受講者にとって良い授業を実施することの難しさを痛感すると同時に、大学教員という仕事の一端に触れることが出来たことに満足している。また、授業を実施する上での技術的な面から心理的な悩みまで、理論と実践の回を交えて幅広く教えて頂けたことで、これから教員を目指すうえで積むべき内容が少し明確になったと感じている。また授業のデザインを知ったことは、自分が履修している授業の解像度を上げることにも繋がった為、教えられる側としての学びも存分にあったと感じる。今回の授業で触れた内容と経験を基に、大学教員を目指して日々授業や研究に取り組んでいきたい。

他大学院生・修士1年

自分が今まで受講してきた授業はほぼ知識伝達がメインでしたが、やはり90分ずっと集中できず授業内容を聞き逃してしまうことが多かったです。わかりやすい説明をするだけの授業であれば他のメディアに置き換えられる現代では、反転授業等オンデマンドを活用して受講者それぞれが自分のペースで学べるようにして、対面授業で学んだことの活用ができるようになることが大学の意味だと実感しました。また、授業方法をただ学ぶだけでなく、アクティブラーニングが多く他の人の意見に触れる機会もたくさんあったためとても貴重な体験をすることができました。

総合理工学府・博士(後期)1年

この授業を受けて、授業デザインの重要性がわかりました。
この授業は多様な形式で行われ、グループディスカッションや学生たちでアイデアや考えを共有することで多くのことを学んだことは、今でも懐かしく思い出します。
先生の授業もとてもわかりやすく、詳しく説明してくれる。 簡単なものから深いものまで、コース全体がよくまとまっていた。
前後2回のMT演習を通じて、授業で学んだことをMT演習に応用することで、授業デザインの重要性を深く理解し、自分の成長を確認することができました。

芸術工学府・博士(後期)2年

授業全体の構成を考えてシラバスを書くことや個々の授業のやり方について、いざ自分が実施する側に立つとこんなにも難しいのかと思いました。毎回苦戦しましたが、考えるポイントを何となくではなく、しっかり言語化したり体感したりしながら学べたことこれまでにない機会でした。また、これまで授業を受けた際は単に「面白かった」「退屈だった」と感覚的にその授業を評価していましたが、それがなぜ面白かったのか、なぜ退屈だったのか、そこから自分は何を学べるのか、といった点を考える眼差しを得ることができたように思います。それは授業だけでなくワークショップや学会発表など、色々な場面に活用できるような気がしています。
また、他の受講生の皆さんのマイクロティーチングや提出物を見れたのはとても良かったです。先生の解説を聞いて自分一人で考えるだけではうまく展開ができなくても、他の受講生の方のアウトプットを見ることからたくさんのヒントを得ることができました。
受講してよかったです。どうもありがとうざいました。

人間環境学府・博士(後期)3年

実は高校・中学で教壇に立つ時にも、このような授業構成の方法論等についての指導を受けたことがありません。先輩の先生方の授業を個人的にお願いして見て回ったり、自分の授業を録音(当時は「録画」が大変でしたので)したりしながら、模索していきました。
本科目のような具体的な方法論を扱う授業を教育に携わる学生さんが学べることは、非常に素晴らしいことだと思います。
特に最新の研究の知見を広く取り扱っていただけることは、現場で教壇に立つ者にとっても非常に有意義でした。
同時に、マイクロティーチング演習のような「自分の授業を真剣に分析し、理想モデルにしたがって再構築する」という作業は、指示されなければやらないと思いますので、これまた非常に有意義な体験になりました。


大学教員として従事している修了生

九州大学未来人材育成機構では、2024年8月にPFFPを修了した既卒者の一部にアンケートを実施しました。
以下は回答いただいた方のうち、公開をご承諾いただいたものを掲載しています。


現在お勤めの大学での就職活動に際して、PFFPで学習したことやTFの経験が有効だった場面はありましたか?
大学教員の公募へ応募する際に学位取得直後にもかかわらず、教育経験として記載できて非常に助かりました。
2020年度秋学期修了生(生物資源環境科学府卒) 九州大学農学研究院 横山岳 助教
採用時に教育活動への抱負を述べるにあたって、目指す姿などをより高い解像度で語ることができました。それだけでなく、PFFPを修了しTF活動を行っていたという客観的な履歴が、大学教員を目指すにあたって教育面にも関心をもっていることをアピールする材料になりました。
2021年度春学期修了生(工学府卒) 鹿児島大学理工学域工学系理工学研究科(工学系) 川上隆 助教
採用に際してPFFPでの学びが有効だった場面は、模擬授業のときです。特に、双方向性の実現のための工夫は有効であったと思います。
2021年度秋学期修了生(人文科学府卒) 愛知医科大学医学部 川﨑優 講師
採用面接時にTFで担当した講義資料を見せながらこういう講義を担当できる、今後こんなことをこういう風に教えたいということを紹介できました。有効に働いたかは客観的には分かりませんが、もしPFFPを受講していなければ教育面の展望について何も話せなかったのは確かでした。
2022年度春学期修了生(工学府卒) 九州大学工学研究院 久松稜弥 助教
採用面接で、模擬授業をしましたか?
One concept we discussed in PFFP is “reasonable accommodation”, which typically is applied when a student has certain troubles in the predetermined means of conducting class, and requests certain accommodations be made so that they can also enjoy the class at the same level as their peers. During my job hunting, I utilized this during the “mock lecture” to show that I am very flexible when creating course materials. Not only did I mention that requests could be made, but I was sure to create materials that were sensitive to a wide range of different situations students may be in. For example, the mock lecture was in Japanese, but I made the titles of each section in case international students were also joining. Furthermore, choosing photos with colors that are easy to see for people with color blindness, as well as having text descriptions of photos used. Lastly, putting myself in the shoes of someone who doesn’t have any previous experience with this topic allowed me to create slides which flowed well. A result of this was that I gained high praise for the mock lecture during my interview and was later told that this was the deciding factor which secured my associate professor position.
2020年度前期集中修了生(地球社会統合科学府卒) 東京工業大学リベラルアーツ研究教育院 James Frances LOFTUS 准教授
私が行った模擬授業は、約100人規模の講義(15分)、学生役は無しで、審査の先生方に見守られながら授業を行うスタイルでした。ただ教員役である自分が説明するだけの15分間にするよりは、少しでも双方向性を意識していることを伝える工夫をしたいと思い、説明の合間に「〇〇について聞いたことはありますか?」など、クラス全体に向けて問いかけ、挙手してもらうよう促すような場面を設けました。このタイミングで教室全体を見渡すことで、一呼吸置くきっかけにもなりました。小さな工夫ですが、PFFPで学んだからこそ得られた技でした。
2021年度秋学期修了生(人文科学府卒) 愛知医科大学医学部 川﨑優 講師
現在大学で勤務している時に、PFFPで学習したことやTFでの経験が有効だった場面はありますか?
The concept of “backward design” was the most helpful for me, as it removes your bias as a researcher having studied something for many years and requires you to think about the needs of the students from the beginning. By creating a clear outline of what students should take away from the course, it makes you think at every step of creating course materials “is this the best way to achieve the goals of the course?”. In this way, backward design taught me to create easy to understand class materials, and to take my knowledge in my field and apply it into practical, useful classes for students who have no knowledge of the field from the beginning.
2020年度前期集中修了生(地球社会統合科学府卒) 東京工業大学リベラルアーツ研究教育院 James Frances LOFTUS 准教授
非常勤、教育プログラムでの授業担当回において、構成を組む上で役立ちました。
2021年度春学期修了生(人間環境学府) 九州大学基幹教育院 池田鮎美 特定助教
現在新たな所属で着任1年目ということで主に演習や実験系の科目を引き継ぐ形で担当しています。方法論を学んだとはいえ急に授業のやり方を変えることは少ないですが、PFFPで学んだことやTFでの経験を常に頭の片隅に置いて、自信をもって教壇に立つことができています。
2021年度春学期修了生(工学府卒) 鹿児島大学理工学域工学系理工学研究科(工学系) 川上隆 助教
勤務においてPFFPでの学びが有効だったのは、グループワークの場面です。以前は、テーマを与えて4〜6人で話し合ってもらうだけだったのですが、ペアで話し合ってもらったり、ジグソー法を取り入れたりするようになり、バリエーションが増えました。特にジグソー法は、学生のコメントを見る限り、好印象のようでした。また、以前は教員側で説明する場面が多かったのですが、PFFP以後は、自分で説明できることでもあえて学生に答えさせたり、考えさせたりする場面が増えたと思います。例えば、授業の冒頭で、前回の振り返りとして、学生に「前回何をやったか覚えてますか?」と聞いて、説明してもらったりします。もちろん教員側で説明してもいいのですが、学生に説明してもらうことで、どれだけ覚えているか、理解しているか、特に印象に残っているのが何か確認できるところがいいなと思っています。
2021年度秋学期修了生(人文科学府卒) 愛知医科大学医学部 川﨑優 講師
私はTFで担当した講義には失敗していて、後で学生に聞くと殆どの人がついて行けなかったと言われました。その失敗を自分や当時の指導教官と分析して、(実は着任後も同じ講義を担当する機会を頂けたのですが、)様々なレベルの学生が理解を深められるような学習内容にずいぶん改善できたと思います。 TFは免許の路上教習のようなものだとPFFPの最初に教わるはずですが、私は強く共感しています。
2022年度春学期修了生(工学府卒) 九州大学工学研究院 久松稜弥 助教
これからPFFPを受講するかもしれない学生へのメッセージ
For anyone considering continuing down the path of an academic position, in or outside of Japan, I cannot recommend the PFFP program enough. This program was one of the most fulfilling experiences I had during my time as a graduate student at Kyushu University, and can say that what I learned in this program really did effect my trajectory into an academic position positively. Putting aside your research for a moment to learn from professionals how to create impactful classes, from start to finish (creating a syllabus to having mock lectures) is one of the most useful skills to have in job hunting. Often times we do not create a syllabus until we need to submit one during job hunting. By taking this course, you are having a head start in your future career! I owe my current path as an associate professor right after finishing my PhD to this program.
2020年度前期集中修了生(地球社会統合科学府卒) 東京工業大学リベラルアーツ研究教育院 James Frances LOFTUS 准教授
教育に関わる職に就く予定の方は、ぜひ受講されると良いと思います。大学等で講義の実施から準備までを体系的に学べます。
2020年度秋学期修了生(生物資源環境科学府卒) 九州大学農学研究院 横山岳 助教
アカデミックの場において、教育活動経験はキャリアのかなり早い段階から従事を求められます。場合によっては博士学生のうちから、非常勤講師などの業務で指導側に回る方もいると思います。その時になって初めて、授業の構成以外の授業に必要な知識(指導方法、評価方法、合理的配慮の範囲など)を身につけるのは負担も多く、教育に携わっていくことへの自信を失ってしまうかもしれません。
事前にこのような技術にアクセスし、大学教員などの教育者を目指す同世代の学生と交流を持てる機会となるので、受講を検討されている方にはぜひ活用して欲しいです。
2021年度春学期修了生(人間環境学府) 九州大学基幹教育院 池田鮎美 特定助教
「授業のための授業」なのでより良い授業をするためのさまざまを学べるのはもちろん、他専攻の大学教員を目指す博士・修士学生同士の交流など、刺激の貰える機会でもありました。研究の傍らで受講するのでそれなりに大変だと思いますが、単位以上に得るものがあると思います。
2021年度春学期修了生(工学府卒) 鹿児島大学理工学域工学系理工学研究科(工学系) 川上隆 助教
授業の中身となる専門的な内容については、研究室の指導教諭から学ぶことができますが、「教え方」を学ぶことができる場面は限られていると思います。私は文学部出身ですが、現在はご縁があって医学部で教えています。自分が文学部で受けてきた授業をそのまま医学部でやってもうまくいかないからこそ、PFFPを通じて学んだ「教え方」の工夫がなおさら活きていると実感しています。PFFPは課題が多めで大変だったり、模擬授業も緊張したりしましたが、それでもそれ以上に得られるものがとても多い授業でした。受講を迷っている方もぜひ受講されることをおすすめします。
2021年度秋学期修了生(人文科学府卒) 愛知医科大学医学部 川﨑優 講師
授業は大学教員の面倒な業務とイメージを持ちがちで私もそうでした。しかし、PFFPやTFなどで実際にやってみると私は単純にあれ?授業を作るのって楽しい?、と思いました。ご自身の分野について「どんな体験があればより深く理解してもらえそうか」、この授業やTFをきっかけにまずはじっくり考えてみることをおすすめします。
2022年度春学期修了生(工学府卒) 九州大学工学研究院 久松稜弥 助教